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イベント用マイクの選び方|ワイヤレスのA帯・B帯の違いと、中古で買うときの注意

イベントで使うマイクを選ぶとき、機種以上に重要なのがワイヤレスの「周波数帯」です。

ここを間違えると、そもそも法律上使えない機材を買ってしまうことがあります。実際、中古市場には現在も使えない機材が流通しています。

イベント設営を本業にしている立場から、マイク選びの結論A帯・B帯の違い、そして買う前に必ず確認すべき2つの落とし穴を整理します。

目次

結論

  • 有線マイクはSHURE SM58一択。現場の業者はほぼこれを使っています
  • ワイヤレスは「B帯」。免許不要で、イベント用途はこれで足ります
  • A帯は免許・登録が必要。一般の主催者が手を出す領域ではありません
  • 中古を買うなら、旧規格でないか必ず確認する

有線マイクは、SM58一択です

結論から言います。有線マイクはSHUREのSM58を選んでください。

音響の現場で、これ以外の有線マイクを使っている業者をほとんど見ません。それくらい標準化されている機材です。

なぜ一択と言えるのか

「音がいいから」ではありません。業界標準であること自体が、実務上の最大の価値だからです。

  • どの現場に持って行っても通用する — 他社と合流しても、業者から借りても、同じ機材。「マイクは何を使いますか」という確認自体が不要になります
  • とにかく壊れにくい — 屋外の現場では落とす、濡らす、踏まれる。この扱いに耐えます
  • 誰でも扱える — 特性が知られているので、初めて触る人に渡しても事故が起きにくい
  • 部品やアクセサリーが手に入る — 長く使ううえで効いてきます
  • 中古市場が厚い — 買い足すときも手放すときも困りません

迷って他社製品を検討する時間があるなら、SM58を買ってしまったほうが早いというのが実務の感覚です。挨拶や司会で使うなら、これ1本で用が足ります。

ワイヤレスの「A帯」と「B帯」の違い

ここが本題です。日本のワイヤレスマイクは、使う電波の帯域によって免許が要るかどうかが変わります。

B帯A帯(特定ラジオマイク)
免許不要免許または登録が必要
周波数806MHz帯470〜710MHz/710〜714MHz/1240〜1260MHz
区分特定小電力無線局特定ラジオマイク
主な用途一般的なイベント、学校、集会、カラオケ放送、大規模ホール、劇場
同時に使える本数数本程度多数(運用調整のうえ)
運用の手間買えばすぐ使える運用調整機構への加入・周波数調整が必要

結論として、イベント主催者が選ぶべきはB帯です。免許の手続きが不要で、挨拶・司会・進行に必要な本数は十分にまかなえます。

A帯は放送用の中継機器などと周波数を共用しているため、特定ラジオマイク運用調整機構への加入と、使用のたびの周波数調整が必要になります。運用の負担が大きく、一般のイベントで選ぶ理由はありません。

【重要】2019年に、旧A帯は使えなくなりました

注意が必要なのは、A帯の周波数が過去に変更されていることです。

かつてA帯は770〜806MHzを使っていましたが、携帯電話向けの周波数再編にともない、2019年4月1日以降、この帯域の特定ラジオマイクは使用できなくなりました。現在のA帯は、ホワイトスペース帯(470〜710MHz)、710〜714MHz、1.2GHz帯(1240〜1260MHz)の3つに移行しています。

中古で古いA帯機材を買うと、そもそも電波を出せません。格安で出回っていることがありますが、理由がこれです。

中古で買うときの2つの落とし穴

落とし穴①:旧規格のB帯機材

B帯は免許不要ですが、「旧規格」と呼ばれる古い機材があります。

2005年の電波法改正で、電波の不要な放射(スプリアス)に関する基準が厳しくなりました。改正前の基準で認証された機材は、この新基準を満たしていません。

使用期限は当初2022年12月1日とされていましたが、その後延長されています。ただしSHUREの案内にもある通り、法改正そのものは存続しており、将来的に使えなくなることに備える必要があります。

SHUREではUT/EUT、UC、UHF、UR、SLX、PGX、ULXなどのシリーズが該当します。中古で買う前に、品番と認証番号をメーカーの一覧で確認してください。

落とし穴②:技適マークのない海外仕様

通販サイトでは、海外仕様のワイヤレスマイクが安く売られていることがあります。

これを日本国内で使うと電波法違反になります。日本で使えるのは、技術基準適合証明(技適マーク)を受けた機材だけです。海外は割り当てられている周波数が違うため、見た目が同じでも中身が別物です。

「安すぎるワイヤレスマイク」には、必ず理由があります。国内正規流通品を選んでください。

何本必要か

本数の目安です。

場面必要な本数
挨拶・司会のみ2本(司会用+来賓用。持ち替えの手間がなくなります)
司会+来賓が複数3〜4本
ステージで演者が使う別途、用途に応じて

最低2本は用意してください。1本だと、話者が替わるたびにマイクを手渡すことになり、進行が止まります。予備の意味もあります。

ただしワイヤレスを4本以上同時に使うと、電波の混信対策が必要になります。ここから先は知識が要る領域なので、不慣れな場合は業者に相談したほうが確実です。

詳しくは 町内会・学校行事の音響、買う・借りる・頼むの判断基準 をご覧ください。

当日、音が切れないために

  • 電池は本番ごとに新品にする — 継ぎ足しで使わない。予備も持つ
  • 受信機とマイクの間に人や建物を挟まない — 電波は遮られます
  • 本番前に、実際に歩き回って確認する — 会場の端で切れないかを見る
  • スマホやWi-Fi機器を受信機の近くに置かない
  • 予備の有線マイクを1本用意しておく — 最後の砦になります

最後の項目が意外と効きます。ワイヤレスが不調になったとき、有線が1本あれば進行は止まりません。

まとめ

  • マイクはSHUREを選んでおけば実務上まず困らない。有線の定番はSM58
  • ワイヤレスは免許不要のB帯。イベント用途はこれで足りる
  • A帯は免許・登録と運用調整が必要。一般のイベントでは選ばない
  • 旧A帯(770〜806MHz)は2019年4月以降使用不可。中古の古い機材は電波を出せない
  • 旧規格B帯は将来使えなくなる可能性がある。中古購入前に品番を確認
  • 技適マークのない海外仕様は電波法違反
  • 最低2本。予備の有線マイクを1本持っておく

自分たちの規模でマイクが何本必要か、どの機材が合うか分からない場合は、会場と進行の内容をお知らせいただければお伝えします。相談だけでも構いません。

音響の手配でお困りなら

株式会社クロスロードでは、イベントの音響・照明を機材とオペレーターをセットで承っています。当日の進行に合わせて音を出すところまで対応しますので、主催者側に音響の担当者は必要ありません。

機材の購入を検討中で、選定のご相談だけという方もお気軽にどうぞ。

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