イベント設営を本業にしていますが、小規模なイベントの音響では、YAMAHAのSTAGEPAS 600を実際に使っています。
私が所有しているのはSTAGEPAS 600iで、こちらは既に生産完了。現行機は後継のSTAGEPAS 600BT(Bluetooth対応)です。基本的な設計と端子構成は引き継がれているので、この記事の内容はそのまま現行機にも当てはまります。
この記事では、どのくらいの規模まで対応できるかと、2セットを連結してスピーカー4台にする方法を、実際の運用をもとに書きます。
STAGEPAS 600とは
スピーカー2本と10chパワードミキサーが一体になった、持ち運べるPAシステムです。ミキサーはスピーカーの背面に収納できるので、運搬はスピーカー2本ぶんで済みます。
| 項目 | STAGEPAS 600BT(現行機) |
|---|---|
| 定格出力 | 280W + 280W(ダイナミック最大 340W + 340W) |
| スピーカー | 2ウェイ/LF 10インチ(25cm)+ HF 1.4インチ コンプレッションドライバー |
| 入力 | 4系統モノ(マイク/ライン)+ 6モノ/3ステレオ ライン 計10ch |
| 出力 | スピーカー出力L/R、モニター出力L/R、サブウーファー出力(モノ) |
| 重量 | スピーカー各10.9kg、ミキサー3.8kg 合計25.6kg |
| その他 | Bluetooth接続、フィードバックサプレッサー内蔵 |
この「モニター出力L/R」が、後述する2セット連結の鍵になります。
どのくらいの規模まで使えるか
実際に運用している感覚では、1セット(スピーカー2本)で来場100人前後までが快適に使える範囲です。
- 公民館や屋内の集会(〜100人):1セットで十分
- 屋外の小規模なイベント(〜100人):1セットで対応可能
- 屋外で150〜300人規模:2セット連結を検討
屋外は壁の反射がないぶん音が返ってこないので、同じ人数でも屋内より出力が要ります。会場が横に広い場合も、1セットでは端まで音が届きません。
2セット連結でスピーカー4台にする方法
ここが本題です。STAGEPAS 600は2セットを数珠つなぎにして、スピーカー4台構成にできます。
会場が広い、来場者が増えた、ステージから客席後方まで距離がある——こうしたときに、機材を買い足さずに対応範囲を広げられます。
接続の手順
- 1台目のミキサーの MONITOR OUT(L/R) から、2台目のミキサーのステレオライン入力(CH5/6など)へケーブルを2本つなぐ
- マイクや音源はすべて1台目に接続する。2台目は音を受けて鳴らすだけ
- 1台目の MONITOR OUT のレベルノブで、2台目へ送る音量を調整する
- 2台目のマスターで、そちらのスピーカーの音量を決める

つまり1台目が司令塔、2台目は増幅担当という役割分担です。操作するのは1台目だけなので、当日のオペレーションは1セットのときと変わりません。
600iと600BTは端子構成が同じなので、世代が違っても連結できます。実際に私は600iと600BTを混在させて使っています。買い足すときに現行機を選んで問題ありません。
連結するときの注意点
- ケーブルの長さを先に測る — 2台目を離れた位置に置くほど効果的ですが、その距離ぶんのケーブルが要ります
- 電源は別系統から取れると安心 — 同じ延長コードに集中させるとブレーカーの負荷が上がります
- 2台目を客席の後ろ寄りに置くと、遅れて聞こえる — 距離が離れるほど音のズレを感じやすくなります。ステージ寄りの左右に広げる配置のほうが無難です
- 本番前に必ず一度、4台すべてから音を出して確認する
使ってみて分かったこと
良いところ
- 設営が速い — ミキサーがスピーカーに収納されているので、現場で組む手間がほぼない
- フィードバックサプレッサーが効く — スイッチひとつでハウリングを抑えられる。音響に不慣れな人が操作する現場では特に助かります
- 10chあるので足りなくなりにくい — マイク4本+音源を挿しても余裕があります
- 25.6kgを2人で運べる。軽ワゴンにも積めます
注意しておきたいところ
- 低音は控えめ — 音楽をしっかり鳴らすならサブウーファーを足したくなります(サブウーファー出力あり)
- 屋外で300人を超えると力不足 — 2セット連結でも厳しくなります。そこからは別クラスの機材と、操作できる人が必要です
- 雨天時は養生が必須。屋外では防水対策を前提に
どんな人に向くか
年に数回、100人前後のイベントを自分たちで回す団体には、これ1セットで十分です。町内会、公民館、学校行事、企業の社内イベントあたりが該当します。
レンタルすると同クラスで1回あたり1万円前後かかるので、年に数回使うなら購入したほうが早く元が取れます。買うか借りるかの判断は 町内会・学校行事の音響、買う・借りる・頼むの判断基準 にまとめています。
現行機はBluetooth対応の600BTです。
YAMAHA ( ヤマハ ) / STAGEPAS 600BT (ステージパス) ポータブルPAシステム(サウンドハウス)
逆に、屋外で300人を超えるイベントや、ステージに演者が立つ催しでは、この機材だけでは足りません。機材とオペレーターをセットで手配してください。
音響の手配でお困りなら
株式会社クロスロードでは、イベントの音響・照明を機材とオペレーターをセットで承っています。当日の進行に合わせて音を出すところまで対応しますので、主催者側に音響の担当者は必要ありません。
機材の購入を検討中で、選定のご相談だけという方もお気軽にどうぞ。
