イベント音響の機材を買おうと思ったとき、どこで買えばいいのかは意外と情報がありません。
楽器店、家電量販店、通販サイト、フリマアプリ。選択肢はいろいろありますが、この業界で実際に仕事をしている人たちの買い方には、はっきりした傾向があります。
イベント設営を本業にしている立場から、実際のところを書きます。
結論:周りの音響会社は、ほぼサウンドハウスで買っている
身も蓋もない話ですが、私の周りのイベント音響を扱う会社は、ほとんどがサウンドハウスで機材を買っています。
現場で「その機材どこで買ったんですか」と聞くと、だいたい同じ答えが返ってきます。特別な理由があるというより、業界の標準的な購入先になっているという感覚に近いです。
では、なぜそうなっているのか。理由を分解してみます。
プロが使う理由
① 新品で、メーカー保証が付く
当たり前のようですが、これが一番大きい理由です。
仕事で使う機材は、壊れたときに代替と修理の道筋が確保されていることが前提になります。本番当日に音が出なければ、その現場は失敗です。保証が効くかどうかは、機材の値段以上に重要な要素になります。
② 業務用の品揃えがある
楽器店や量販店では、そもそも扱っていない商品が多くあります。
- ケーブル類(長さ・コネクタの組み合わせが豊富)
- スピーカースタンド、ケース、養生資材
- 変換プラグ、電源タップ、ケーブルリール
- ワイヤレスの予備アンテナ、電池類
現場で本当に困るのは、本体ではなく周辺の細かいものです。「あと3mのXLRケーブルが1本足りない」という状況が現実に起きます。そういう品目まで一箇所で揃うことの価値は、実務では大きいです。
③ 価格
ここは正直に書きます。私が買う範囲では、他のECサイトより安いことが多いという実感です。
全商品を比較したわけではないので「必ず最安」とは言えませんし、商品やタイミングによっては他が安いこともあります。ただ、業務用の音響機材というカテゴリにおいては、価格を比べたうえでここに落ち着くことが多い、というのが率直なところです。
買う場所の使い分け
| 買う場所 | 向いているもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 音響機材の専門通販 | 業務用の本体・周辺機材・消耗品 | 実物を見られない |
| 楽器店 | 実物を確認したいとき、相談したいとき | 業務用の品揃えは限定的 |
| 家電量販店 | 急ぎで汎用品が要るとき | 専門的な機材はほぼ扱いなし |
| フリマ・中古 | (後述。安易に手を出さないほうが無難) | 保証なし・法規制のリスク |
実物を触ってから決めたい場合は楽器店で確認して、実際の購入は通販、という使い分けも現実的です。
中古・フリマで買ってはいけない機材
ここが一番お伝えしたい部分です。安く済ませたい気持ちは分かりますが、中古には手を出さないほうがいいカテゴリがあります。
★ワイヤレスマイクは、法的リスクがあります
これは価格の問題ではなく、電波法の問題です。
- 旧A帯(770〜806MHz)のA型ワイヤレスは、2019年3月31日で使用終了しています
- 2005年の規格改正より前の旧規格機器は、猶予期限(2022年11月30日)を過ぎており、現在は使用できません
- 期限を過ぎた機器を使用すると電波法違反にあたります
フリマアプリには、こうしたすでに使えない機器が今も出品されています。「安く買えた」と思って本番で使ったら違法運用だった、という事態が起こり得ます。
ワイヤレスマイクだけは、新品を正規のルートで買ってください。見た目では判別できませんし、出品者も気づいていないことがあります。
スピーカーとアンプも、経年劣化が読めません
- ウレタン製のエッジは経年で加水分解し、ボロボロになります。見た目では判断しづらく、鳴らして初めて分かることも
- アンプ内蔵機の電解コンデンサは消耗品です。動作していても、寿命が近い個体があります
- バッテリー内蔵機は、電池の劣化がそのまま使用時間の短さになります
本番でしか露見しない不具合を抱えた機材を、安く手に入れる意味はありません。イベントは一度きりで、やり直しがききません。
はじめて買うなら、何から揃えるか
町内会や学校行事で「音響を任された」という方が最初に買うなら、この順番をおすすめします。
| 順番 | 買うもの | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ポータブルPAシステム | スピーカー・アンプ・ミキサーが一体。電源を挿してマイクを繋げば音が出る |
| 2 | 有線マイク+スタンド | ワイヤレスより確実。まずは有線で基本を押さえる |
| 3 | ケーブルの予備 | 断線は必ず起きます。本数を持っておく |
| 4 | ワイヤレスマイク | 必要になってから。必ず新品で |
| 5 | スピーカースタンド | 音が届く高さを確保できる。効果は大きい |
実際に私が小規模イベントで使っている機材については、YAMAHA STAGEPAS 600の実力と、2セット連結でスピーカー4台にする方法で詳しく書いています。
そもそも買うべきか借りるべきかで迷っている場合は、町内会・学校行事の音響、買う・借りる・頼むの判断基準をご覧ください。年に何回使うかで答えが変わります。
まとめ
- 業務用の音響機材は、専門の通販で新品を買うのが業界の標準
- 理由は安さより保証と品揃え。仕事で使うなら壊れたときの道筋が要る
- 価格は、私が買う範囲では他より安いことが多いという実感
- ワイヤレスマイクの中古は電波法違反のリスクがある。必ず新品で
- スピーカーやアンプの中古も、経年劣化が読めないため避けたほうが無難
- 最初の1台はポータブルPAシステムから
YAMAHA ( ヤマハ ) / STAGEPAS 600BT (ステージパス) ポータブルPAシステム(サウンドハウス)
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株式会社クロスロードでは、イベントの音響・照明を機材とオペレーターをセットで承っています。当日の進行に合わせて音を出すところまで対応しますので、主催者側に音響の担当者は必要ありません。
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