イベントで使うテントを手配するとき、最初に迷うのがサイズと種類です。
サイズは「1.5間×2間」のように間(けん)で表記されることが多く、慣れていないとピンときません。種類も、昔ながらのパイプテントと、近年増えているワンタッチ式では、向き不向きがはっきり分かれます。
イベント設営を本業にしている立場から、失敗しない選び方を整理します。
サイズ早見表:「間」をメートルに置き換える
1間は約1.8mです。まずはこの対応表を頭に入れてください。
| 表記 | メートル換算 | 広さ | ワンタッチ式の近いサイズ |
|---|---|---|---|
| 1.5間×2間 | 約2.7m×3.6m | 約3坪(9.9㎡) | 3.0m×3.0m |
| 2間×3間 | 約3.6m×5.5m | 約6坪(19.8㎡) | 3.0m×6.0m |
| 3間×4間 | 約5.5m×7.3m | 約12坪(39.7㎡) | — |
| 3間×5間 | 約5.5m×9.1m | 約15坪(49.6㎡) | — |
最も出番が多いのは2間×3間です。模擬店や受付、休憩スペースなど、たいていの用途はこのサイズが基準になります。迷ったらまず2間×3間で数えて、過不足を他のサイズで調整してください。
見落としがちな「高さ」
サイズを面積だけで決めると、当日になって困ることがあります。テントには「軒高(のきだか)」という、柱の高さの規格があります。人が通る部分の高さで、ここが実務では効いてきます。
| 種類 | 軒高の目安 | 高さ調節 |
|---|---|---|
| パイプテント(組み立て式) | 2m が一般的 | 固定のものが多い(伸縮式もあり) |
| かんたんテント(ワンタッチ式) | 1,800〜2,200mm | 調節できるものがほとんど |
高さを確認しておくべき場面は、主にこの4つです。
- 会場に高さ制限がある — アーケード、駐車場、屋根や電線の下。設置できるかどうかが決まります
- テント内にステージや什器を入れる — 台の上に人が立つと、頭上の余裕が一気になくなります
- のぼりや装飾を吊る — 軒高が低いと、通行の邪魔になります
- 傾斜のある会場 — 高さ調節ができるワンタッチ式なら、脚ごとに長さを変えて水平を出せます
迷ったら、高さ調節ができるタイプを選んでおくと安全です。会場の条件が読めない段階でも、当日その場で合わせられます。
なお2間×3間は3.6m×5.4m、畳にして12畳分です。面積のイメージが湧きにくいときは、畳に置き換えると掴みやすくなります。
種類の選び方:パイプテント/かんたんテント/タープテント
ここが本題です。見た目が似ていても、この3つはまったくの別物です。
| パイプテント | かんたんテント(業務用ワンタッチ) | タープテント(一般向け) | |
|---|---|---|---|
| 構造 | パイプを一本ずつ組む | フレーム一体式。広げて立てる | フレーム一体式 |
| 設営 | 人数と時間がかかる | 数分で完了 | 数分で完了 |
| 脚の強度 | 高い | 太くて丈夫 | 細く、折れやすい |
| 強風 | 強い | 中程度 | 弱い |
| 長期設置 | 向く | 不向き | 不向き |
| 価格帯(購入) | — | 20万円前後〜 | 数万円 |
| 向く用途 | 強風時・長期設置 | 単発イベント全般 | レジャー用途 |
近年はワンタッチ式が主流になりつつあります
かつては屋外イベントといえばパイプテントでしたが、現在は3m×6mや3m×3mのかんたんテントで設営するイベント会社が増えています。
理由はシンプルで、設営が速く、人手が少なくて済むからです。パイプテントは部材を一本ずつ組む必要がありますが、ワンタッチ式は広げて立てるだけ。かんたんてんとは「60秒で設営・撤去」を謳っています。
その結果、単発のイベントであれば、かんたんテントのほうが設営費を安く抑えられます。機材のレンタル料そのものより、人件費の差が効いてくるためです。
それでもパイプテントを選ぶべき場面
ワンタッチ式が万能というわけではありません。次の2つの条件では、パイプテントをおすすめします。
- 台風並みに風が強いことが予想されるとき
- 数日以上、設置したままにするとき
構造的な粘り強さでは、依然としてパイプテントに分があります。風の条件が読めない屋外の長期設置では、こちらが安全です。
買うか、借りるか
年に何度もイベントをやる団体なら、購入も現実的な選択肢です。かんたんテントは素人でも設営できるので、業者を呼ばずに自分たちで完結できます。
判断はシンプルで、毎年使う・長く使うなら購入、単発ならレンタルです。
ただし「安いタープテント」は買わないでください
ここが最も注意してほしい点です。
ホームセンターやネット通販で、3m×6mや3m×3mのタープテントが数万円で売られています。同じサイズなので、業務用の代わりになると思ってしまいますが、強度がまったく違います。
- 脚が細く、折れやすい
- 天幕に雨が溜まり、その重みで生地が破れる
- 風にあおられると、そのまま壊れる
レジャーで年に数回使う分には問題ありませんが、イベントで人を入れる用途には強度が足りません。1回壊れて買い直すことを考えれば、結果的に高くつきます。
業務用の何が違うのか
業務用のワンタッチテントは、脚の太さと素材が別物です。
たとえば代表的な製品であるミスタークイック TA-36(3.0m×6.0m・総アルミタイプ)は、支柱がアルミの上部35角・下部28角でアルマイト加工、天幕はポリエステル100%の500D生地に裏面ポリウレタン塗布という仕様で、定価217,000円・重量41.5kgです。スチール・アルミ複合タイプのT-36は定価197,000円・51kgとなっています。
かんたんてんとも同様に、錆びないアルミ素材でスチールと同等の強度を確保し、防水・UVカット・防火生地を採用しています。標準サイズは1.8×1.8mから3.0×6.0mまで、さらに大きいキングサイズは3.6×7.2mまで展開されています。
数万円のタープテントと、20万円前後の業務用。この価格差は、そのまま強度と寿命の差です。毎年使うつもりなら、最初から業務用を選んでください。
レンタルする場合の料金
集会用テント(パイプテント)のレンタル相場は、サイズ別におおよそ次の水準です。
| サイズ | 基本料金 | 追加1日 |
|---|---|---|
| 1.5間×2間 | 8,800円〜 | 1,760円〜 |
| 2間×3間 | 11,000円〜 | 2,200円〜 |
| 3間×4間 | 26,400円〜 | 5,280円〜 |
| 3間×5間 | 38,500円〜 | 7,700円〜 |
料金の基本単位は「1泊2日」または「2泊3日」で、1日あたりの料金ではありません。日数で単純に掛け算すると予算が過大になります。
横幕・雨どい・ウェイト・鉄杭などの付属品や、品目別の詳しい相場は イベントレンタル料金の相場ガイド にまとめています。
種類を問わず、必ず必要になるもの
最後に、テント本体だけ手配して当日困る典型例をお伝えします。
ウェイトか鉄杭は、必ず要ります。芝生や土のグラウンドなら杭を打てますが、アスファルトや石張りの広場では杭が打てません。その場合はウェイトを脚の数だけそろえる必要があります。
これはパイプテントでもかんたんテントでも同じです。固定していないテントは、風であっけなく飛びます。人がいる場所で飛べば事故になります。会場の地面が何でできているかを、手配の前に必ず確認してください。
まとめ
- サイズは2間×3間(約3.6m×5.5m/6坪)を基準に数える
- 単発イベントなら、かんたんテント(3m×6m・3m×3m)が設営費を抑えられる
- 強風が予想されるとき・長期設置するときはパイプテント
- 毎年使うなら購入も選択肢。ただし安いタープテントは避け、業務用を選ぶ
- ウェイトか鉄杭を忘れない。会場の地面を先に確認する
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